私は、三重県の自然豊かな土地で育ちました。子どもの頃の遊び場といえば、山、川、田んぼ など身近な自然の中です。そこで、私は多くのことを学びました。そんな私は、20年近く建設業の現場監督という仕事に就き、人のためになる仕事、地図に残る仕事だ、と誇りをもって励んでいました。
しかし、あるきっかけで自分の仕事を違う視点でみることになりました。自然に存在する、生きものたちの立場からの視点です。
『身近な自然を壊して、私たち人間だけが便利になるために工事をしているのではないか?』
『これからの建設業は、自然も人間も共生できる環境づくりが必要ではないのか?』
そこで、生きもの視点の自然再生について学びはじめたのです。自然界の仕組みを知れば知るほど、建設の仕事に対する疑問は大きくなり、いろんな葛藤がうまれました。そこで、まず自分ができることをしようと仕事をしながら環境学習講師、COP10自然観察ガイド、ビオトープ調査、里山再生などの活動に取り組みました。そんな中で、子どもたちの遊び場がないことに気づきました。
『私たちが子どもの頃に遊んでいたことができない現実』
『自然の中で遊べないことで とても大切なものを失いかけてる現実』
その後、少しでも多くの人たちに自然の中で遊ぶ価値や、ひと昔前の自然と共生する循環型社会の素晴らしさを伝えると同時に、子どもたちに思いっきり遊ばせてあげられる環境をつくりたいと動きはじめました。そんな中で、大人と子どもの本音を知りました。
大人は、
『子どもも大人も忙しくて自由に遊べない』
『危険だから子どもに遊ばせたくない』
『そもそも、そんな場所がない』
でも、子どもたちは、
『あれダメ、これダメじゃなくて いっぱい遊んでみたい』
このことから私は子どもたちが遊び・学べる場『根っこを育む自然塾』をつくる決断をしたのです。
確かに、現代は大人も子どもも忙しいです。自然に親しむことよりも生活を優先してしまうものです。
子どもの将来を考えると習い事をさせる方が親も安心します。
そんな時代だからこそ、私は、子どもが遊びつくせる場が必要だと考えます。
『「つ」のつくうちは、神の子』、多くのことを吸収します。
一つとして同じものがない自然。
自然の中には、多くの情報があります。